OTOWA 総合カタログ 2024-2025|音羽電機工業株式会社


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JISに基づく免雷設計11SPDの仕組みSPDは、雷サージなどの過渡的な過電圧を制限しサージ電流を分流させる目的で、1個以上の非線形素子※を内蔵しています。その非線形素子の効果により、SPDは機器に加わる電圧を制限し、雷サージから機器を保護することができます。SPDは通常の使用状態の電源電圧に対しては高抵抗であり、電気を通さない絶縁物と同等です。しかし、雷サージなどの過電圧に対しては、SPDは瞬時に高抵抗から低抵抗となり、サージ電流を接地側に流すと共に雷サージの電圧を抑制します。SPDは雷サージを処理した後、すぐに高抵抗に戻るため、電源電圧による電流(続流)が流れません。SPD:低圧サージ防護デバイス(SurgeProtectiveDevice)別名:避雷器、アレスタ、サージプロテクタなど※非線形素子とは、MOV金属酸化物バリスタ)、GDTガス入り放電管)、ABD(アバランシブレークダウンダイオード)、TSS(サージ防護サイリスタ)など。機器の耐電圧電圧電気機器に加わる電圧波形機器にかかる電圧機器にかかる電圧(SPDのないとき)SPDによって抑制された電圧電圧防護レベル(インパルス放電開始電圧)残留電圧(制限電圧波高値)::UpUres時間電気機器に加わる電圧波形機器の耐電圧時間UpUres電圧SPDなしSPDあり電源線からの雷サージ電源線電気機器雷サージの過電圧により、機器は絶縁破壊を起こします。接地からの雷サージ電源線からの雷サージSPDによって抑制された電圧電源線電気機器SPD通常時:SPDは絶縁物と同等雷サージ侵入時:SPDはほぼ導体として働く雷保護ゾーン(LPZ)の設定雷電磁インパルス(LEMP:LightningElectromagneticPulse)によって生じる電磁界により建築物内部の設備や電気電子機器に障害が発生しないように、雷による影響度合いの異なる領域(LPZ:LightningProtectionZone)を設定します。雷保護ゾーンを定めることで、誘導雷対策、直撃雷対策が明確化され、SPDの選定が可能になります。雷保護ゾーンの境界ごとにSPDなどの保護対策を施すことで、雷サージによる影響を低減します。実際の建築物における電気系統の配線は、LPZ1は電気室、LPZ2は各分電盤などと分類し、各々にSPDを設置して雷サージを保護可能なレベルまで段階的に低減します。:クラスⅠ用SPD:クラスⅡ・Ⅲ用SPDLPZ0ALPZ0BLPZ1電気室受電盤各フロアLPZ2分電盤電源線機器内部LPZ3機器SPDクラス及びカテゴリ屋外設備にもSPDによる保護をお薦めします。クラスⅠ、カテゴリD1クラスⅡ、カテゴリC2LPZ0A直撃雷、全雷電流、全雷電磁界によって危険にさらされるゾーン。LPZ0BLPZ1LPZ2直撃雷に対しては保護されているが、部分雷電流、全雷電磁界によって危険にさらされるゾーン。直撃雷に対しては保護されているが、制限された雷電流又は誘導電流、減衰した雷電磁界にさらされるゾーン。直撃雷に対しては保護されているが、誘導電流、LPZ1よりもさらに減衰した雷電磁界にさらされるゾーン。外部内部雷保護ゾーン(LPZ)の概要雷保護ゾーン概要


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