建築物等への物的破損及び人命を雷撃から保護する手順を定めたJIS Z 9290-3:2019【建築物等への物的損傷及び人命の危険】は、「外部雷保護システム」と「内部雷保護システム」で構成されます。
外部LPSとは、建築物自体および生命や内容物の物的損傷を防止するため、接近した落雷を確実に捕捉し、安全に大地に放流するシステムです。建築物や設備の重要度に応じて、JIS Z 9290-3に基づいた保護クラスを決定し、外部LPSを設計します。
建築物の重要度及びその地域の落雷密度や立地条件を考慮し、施主および設計者と協議し決定します。
内部LPSとは雷によって発生する危険な火花放電および雷の電磁的影響を低減させるため、雷等電位ボンディングおよび外部LPSからの絶縁(離隔距離)をします。
感電や火災の原因となる過電圧の発生を防止するため、外部LPSとそれ以外の金属部とをボンディングで直接接続又はSPDを用いて間接的に接続します。
磁気遮蔽を行うとともに、配線ルートを検討します。
JIS Z 9290-1:2014に規定する、直撃雷を考慮した雷電流パラメータ(雷電流波高値)を4つのレベルに分類しており、LPL Ⅰ~Ⅳとしています。また、それぞれのレベルに応じた雷電流の最大電流波高値と最小電流波高値などの雷電流パラメータを定めています。
受雷部システムの配置の設計は、LPSのクラスなどの要求事項に適合させます。次の方法を個別にまたは組み合わせて使用することができます。
高層ビルの増加に伴い、JIS Z 9290-3:2019では、高さ60mを超える建築物等の高さの上部20%の側壁部分に受雷部を設けるように定められています。