現場土壌の大地抵抗率を測定し、接地設計を行う指標とします。
大地抵抗率とは大地抵抗の大きさをあらわすもので、1m³あたりの土壌の抵抗値と定義されています。
記号はρ(ロー)単位はΩ・mで表現されます。
大地抵抗率は、土の種類や含水率、温度などで大きく変化します。
大地抵抗率(ρ)は土質(場所)毎に異なります。
表1に土質とρの関係を示しますが、同じ土質でもバラツキが大きいため、測定が必要です。
土質 | 大地抵抗率(Ω・m) |
---|---|
粘度層 | 0.8~100 |
ローム層 | 10~500 |
砂層 | 100~5,000 |
礫層・砂礫層 | 100~10,000 |
石灰岩 | 60~50,000 |
花崗岩 | 300~50,000 |
溶岩 | 1,000~50,000 |
接地抵抗値R(Ω)は次式より求められます。
接地抵抗値Rの推定には、ρの値が必要となるため、ρの測定が必須となります。
接地極部材調達の明確化(部材種別、物量)
工期の明確化
接地極工事コストの明確化(工事コストの見える化実現)
測定・解析はウエンナー(Wenner)の4電極法が用いられます。
(JIS A 4201:1992及びJIS T 1022:2018の解説より)
図1のように電流極C1、C2と電圧極P1、P2を用いて測定します。
C1、C2に電流を流し、P1、P2で電圧を測定して、地中深度毎の土壌抵抗を算出します。
図1 4電極法の測定電極配置例
見掛けの大地抵抗率ρ'と深さ方向のρ-a曲線(図2)を求めます。
図2 ρ―a曲線
各深度の層別の深さと大地抵抗率ρを算出して、設計の為の大地抵抗率ρを決定します。
解析は作図法を用いて行うため、正確な算出には、経験と専門性が必要となります。
大地抵抗率測定風景