用語の説明は、主としてJEC-2374の高圧用避雷器規格に基づく。
酸化亜鉛(ZnO)を主成分に、微量の添加物を混合して焼結体とした非直線性に優れた抵抗体である。
非常に優れた非直線抵抗特性を持つため、放電の際は大電流を通過させ端子間電圧を制限する性能が高く、直列ギャップが無くても放電後は原状に復帰する性能を持つ。
非直線電圧電流特性により、放電の際は大電流を通過させて端子間電圧を制限し、放電後は続流を実質的に阻止又は直列ギャップで遮断できる程度に制限する作用をなす避雷器の構成部分をいう。
特性要素(2項)と直列に結ばれる単一又は数個の直列組み合わせからなる火花ギャップである。常時は実質的に避雷器回路を開き、過電圧印加の際に火花放電によりその回路を閉じ、その後特性要素で制限された続流を遮断する作用をなす避雷器の構成要素をいう。
電圧を両端子間に印加した状態で、所定の雷インパルス電流(16項)を所定の回数反復遂行できる商用(定格)周波数の商用周波電圧最高限度を規定した値をいい、実効値で表示する。また、器具又は機器に対して製造者が指定した電圧値で、運転の性能特性の基準となる。
避雷器の保護性能並びに自復性能を表現するために用いる放電電流の規定値であって、所定波形の雷インパルス電流の波高値で表示する。
両端子間に印加された際に波高値付近において直列ギャップで火花放電が起こるなど、実質的に避雷器に電流が流れ始める最低の商用周波電圧をいい、実効値で表す。
両端子間にインパルス電圧が印加され避雷器が放電する場合、その初期において、放電電流が十分に形成され端子間電圧の降下が始まる以前に達し得る端子間電圧の最高瞬時値をいう。
一定極性の標準雷波形の雷インパルス電圧を多数回反復印加した場合、毎回放電が起こる雷インパルス電圧波高値の最低限度をいう。
指定された条件下で絶縁破壊を生じさせない規定の波形や極性のインパルス電圧の最高ピーク電圧。
避雷器の放電中、過電圧が制限されて、両端子に残留するインパルス電圧(7項の図のEa)であって、放電電流の波高値及び波形によって定まる。制限電圧の規定値は波高値で表示する。
電圧—電流特性において、小電流域の所定の電流に対する避雷器の端子電圧波高値を動作開始電圧という。電流としては交流抵抗分電流波高値又は直流電流を用い、公称放電電流2500Aの避雷器では通常、電流1mAを流れた時の電圧をいう。
避雷器に対し、常時連続的に印加される電圧ストレスの大きさを表し、通常印加電圧波高値を動作開始電圧の値で除した値をいう。
避雷器に実質上の障害を起こすこと無く所定の回数を反復して流し得る所定の波形の放電電流波高値の最大限度をいう。
避雷器が所定の単位動作責務試験を所定の回数反復遂行できることを検証する目的で、実系統における動作状態を模擬して行う試験をいう。
模擬するサージ電流によって、雷サージ動作責務試験、開閉サージ動作責務試験などがある。
過渡的に短時間(普通マイクロ秒からミリ秒程度)出現するインパルス電圧において、原点から波高値に至るまでの時間が数マイクロ秒程度の急激な波頭を持ち、それ以後ゆるやかに降下するインパルス電圧をいう。雷インパルス試験で用いる標準の雷インパルス電圧は、規約波頭長/規約波尾長が±1.2/50μsの単極性全波電圧である。
避雷器の制限電圧及び放電耐量試験において印加する放電電流であり単極性あるいは振動性波形のインパルス電流をいう。
実際に使用する標準的な電流波形は、規約波頭長/規約波尾長が、制限電圧試験では8/20μs、放電耐量試験ではさらに4/10μsの電流波形を雷インパルス電流として使用することもある。また、放電耐量試験では継続時間の長い方形波インパルス電流波形(2msec)も使用される。