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第19回雷写真コンテスト入賞作品発表

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第19回雷写真コンテストに多数のご応募をいただき、誠にありがとうございました。
日本各地・海外での撮影など、一瞬の煌めきを撮影された貴重な作品が多数あり、
自然のエネルギーを強く感じました。
この度、審査員の厳正な審査の結果、入賞作品が決定いたしましたので、発表させていただきます。

入賞作品は下記リンクよりご覧いただけます。
https://www.otowadenki.co.jp/contest_category/num19/

審査員講評

 

審査員 東京大学 名誉教授、一般財団法人電力中央研究所 名誉研究アドバイザー 工学博士 石井 勝氏

美しい写真を応募して下さる皆様には申し訳ないのですが、雷の研究者の目から見ると、興味を惹かれる作品が減りました。比較明合成が手軽にできるようになるなど、加工技術が発達したおかげで、画像から現象の真実を読み取るのが難しくなりつつあります。研究における画像処理が有力な武器になっているのは、処理過程が分かっているからこそです。写真芸術には門外漢の研究者がコンテスト審査員として名を連ねているゆえの愚痴でした。ご容赦下さい。

 

審査員 静岡大学 工学部電気電子工学科 客員教授 工学博士 横山 茂氏

新型コロナの猛威にもかかわらず、素晴らしい写真が多く、雷写真コンテストが市民権を得ていることをつくづく感じています。金賞の「田園に轟く」は、構図が素晴らしいですね。天から地に空間を切り裂く雷、雷光を明るく反射する田園風景、そしてそれらに垂直に交差する送電線。そう簡単に撮影できるものではないですね。銅賞の「落書雷」も自由自在に動き回る雷がとらえられている面白い写真ですね。邪魔者として扱われることが多かった送電線や配電線も、「景観にマッチしている。」と逆に見直されている感じがします。今年の春には、「電線絵画展」も練馬区立美術館で開催されました。最後になりますが、雷写真コンテスト主催者の音羽電機工業さんの高性能避雷器で配電線が雷から守られていることも忘れないでください。

 

審査員 特定非営利活動法人産学連携推進機構 理事長 妹尾 堅一郎氏

銀塩化学技術に基づくアナログ写真から電子工学技術に基づくデジタル写真に移行して、「写真」の概念が大きく変わった。ここ数年、従来の感度では撮れなかったような雷雲のディテール表現に驚嘆している。ハードウエア側の光学素子の発達の賜物だけではない、「比較明合成」というソフトウエア側の発達もこれまた著しいのである。これがデジタルカメラに組み込まれ始めたのである。結果、カメラ内修正に加え、そのデータをさらにパソコンで修正を重ねられるようになった。今や夜景や天体写真等の自然写真撮影ではこの技術を駆使することは珍しくなくなってきている。「真を写す」から写真? では、従来のアナログ写真は真をそのまま表していたか?そんなことはなかった。例えば、モノクロ(白黒)写真を焼き付ける際に「覆い焼き」や「多重露光」をすることは当たり前だった。その結果できあがったプリントこそが作品で、例えばアンセル・アダムスの自然景観写真を見れば、それを修正したから認めないという人は皆無だろう。お見合い写真や就職写真でも「レタッチ」というプリントの手修正も当たり前だったのだ。雷写真コンテストにおいても、写真の再定義や募集要項の見直しが必要な時期になってきた。主催者と選考委員は時代の変化を直視すべき時である。

 

審査員 デザイナー 喜多 俊之氏

回を重ねて、毎年数多くの優秀な応募作品に出合ってきました。今年度の応募作品の中にも稀にみる画像、雷の怖さと芸術的な美しさを感じる画像がありました。金賞『田園に轟く』は静と動のバランスが美しい画像。銀賞『ダンシング』は日常の気候が異なる外国で撮られた作品で、ダイナミックな構図と景色が写し出されていました。銅賞作品のそれぞれも、日常の大空に轟く雷の一瞬の姿が印象的です。学術賞の『トーキョースパーク』はシンプルな構図の中に珍しい光景を捉えています。今回も入選作品も含め、多くの秀作が目立ちました。

 

審査員 音羽電機工業株式会社 代表取締役社長 吉田 修

コロナ禍での雷写真コンテスト第19回は多数の応募を賜りました。毎回の応募作品で感心させられる事は、雷写真のタイトルの命名です。撮影者ひとりひとりの思いが込められています。社会は変異ウイルス、オミクロン株発生で日常生活に更なる危機感を抱いています。コロナウイルスに負けることなく第20回記念のご応募よろしくお願い致します。そして、医療従事者の皆様をはじめ、生活を支えてくださっている皆様方に心より感謝申し上げます。今回、残念ながらグランプリ賞該当作品がございませんでした。

 

後援 富士フイルム株式会社
公益社団法人日本写真協会会員 (富士フイルム株式会社OB) 山﨑 康生氏

入賞者の皆様おめでとうございます。コロナ禍で大変な状況の中、レベルの高い写真が多数寄せられました。写真コンテストでは「写ってしまった写真」ではなく、「明確な意図を持って伝える事」が評価の分かれ目と成ります。主役の雷を中心に、脇役、背景などが計算され全体のバランスが良い作品が上位に選ばれました。昨年も申し上げましたが「雷写真」はまだまだ未開拓の分野です。カメラの高感度化により、光が少ない場面でも撮り易く成りました。ダイナミックな自然現象「雷写真」に是非挑戦して下さい。傑作の応募をお待ちしております。