太陽光発電システムは広い面積を持ち遮へいのない屋外に設置されるため、雷による過大な電圧の影響を受けやすいシステムです。
(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2008年度に調査した「太陽光発電システム雷害の状況・被害低減対策技術の分析・評価などに係わる業務」報告書によると、太陽光発電システムの被害のうち、およそ28%が雷に起因しています。その被害の中でも、計測システムとパワーコンディショナ(PCS)の被害が多くを占めていると報告されています。特にパワーコンディショナ(PCS)は直流系統、交流系統、通信・制御系統が集中しており、複数の雷サージの侵入経路があるため、雷被害を受けやすい機器です。パワーコンディショナ(PCS)を含む被害の場合、装置自体が高価な上に、故障した場合には復旧に時間を要すると考えられ、二次的な損失も含めるとシステムの中でも特に対策が必要な機器と考えられます。
太陽光発電施設は雷によって機器が停止すると、発電できずに送電(売電)不可能となります。大きな発電施設の場合、1日稼働していないだけで数十万円の損失になることもあります。
また、電気設備技術基準に規定された電気用接地抵抗値を確保するため、接地工事も重要です。山岳地帯などでの発電所の場合、大地抵抗率が高い土壌が多くなり、接地抵抗値の低減も必要になってきます。連接接地が不可能な場合もあり、低コストの接地工法が求められます。